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空蝉の世は夢なれや桜花
咲きては散りぬあはれいつまで

歌の意味
この世は夢なのだろうか。桜の花は咲いたかと思うとすぐに散ってしまった。ああ、いつまでこうなのか。
鑑賞
雑歌 705

詞書は底本の表示から判読できない
 この世は夢なのだろうか、桜の花は咲いたかと思えば散ってしまったと、世のはかなさを桜に託して詠んだ歌である。前歌と同じ結句を用い、無常の嘆きを重ねている。

 初句「空蟬の」は「世」にかかる枕詞である。
 二句「世は夢なれや」は、この世は夢なのだろうかの意で、「や」は疑問である。二句切れである。
 三句「櫻花」は、桜の花の意である。
 四句「咲きては散りぬ」は、咲いては散ってしまったの意である。次歌の第七百六首でも桜が詠まれている。
 結句「あはれいつまで」は、前歌と同じ結句である。

うつせみの:世や命にかかる枕詞
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
朝ぼらけ跡なき波に鳴く千鳥 あなことごとしあはれいつまで
次の歌
いにしへの朽木の桜春ごとに あはれ昔と思ふかひなし