とにかくにあな定めなの世の中や
喜ぶ者あればわぶる者あり
- 歌の意味
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とにもかくにも、ああ定めのない世の中であることよ。喜ぶ者があれば、嘆く者もいる。
- 鑑賞
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雑歌 711
詞書「人心不常といふ事を」
人の心は常ならずという題で詠んだ歌である。ああ定めのない世の中であることよ、喜ぶ者があればその陰で嘆き悲しむ者もいると詠み、人の世の移ろいやすさと幸不幸の背中合わせを率直に述べている。賀茂真淵はこの歌に評価の印を付けている。
類従本では詞書の末尾を「ことをよめる」とし、二句と四句の表記を異にする。
初句「とにかくに」は、前歌と同じ初句である。
二句「あなさだめなの」は、ああ定めのないの意で、「あな」は感動詞である。
三句「世の中や」は、世の中であることよの意で、「や」は詠嘆である。三句切れである。
四句「喜ぶものあれば」は、喜ぶ者があればの意で、八音の字余りである。
結句「わぶるものあり」は、嘆く者もいるの意で、四句と対をなしている。前歌のわび人を受け、喜ぶ者と嘆く者を並べている。
わぶ:嘆き悲しむ、困り果てる
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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とにかくにあればありける世にしあれば 無しとても無き世をも経るかも
- 次の歌
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世の中に賢きこともはかなきも 思ひし解けば夢にぞありける