春立ちてこずゑに消えぬ白雪は
まだきに咲ける花かとぞ見る
- 歌の意味
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立春を迎えても梢に消えずに残っている白雪は、まだその時期でもないのに早くも咲いた花かと見える。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 2
立春を迎えても梢に消え残る白雪を、季節に先がけて咲いた花に見立てた歌である。冬の名残の雪の中に、待ち望む春の花の姿を見出している。
雪を花に見立てる型は古今和歌集以来の伝統的な趣向で、本首では立春直後という時期に置くことで、花を待ちわびる心をいっそう強めている。
作者の「公実」は、藤原実季の子で権大納言に至った藤原公実である。春宮大夫を兼ねた。堀河天皇の時代の歌壇で活躍した歌人である。
初句「春立ちて」は立春を迎えての意で、暦の上で春になったことを示す。前歌の第一首の「春は来にけり」を受けて、同じく春の始まりを詠んでいる。
二句「こずゑに消えぬ」の「消えぬ」の「ぬ」は打消の助動詞「ず」の連体形で、梢に消え残っている状態をいう。
三句「白雪は」と主題を示し、この雪を何に見立てるかを下の句で述べる構成である。
四句「まだきに咲ける」の「まだき」は時期がまだ来ないうちの意で、早くも咲いたかと見る心を表す。
結句「花かとぞ見る」は雪を花に見立てる表現で、係助詞「ぞ」を受けて連体形「見る」で結ぶ係り結びとなっている。雪と花の見立ては、本巻の第七首、第八首の初雪と初花の贈答へとつながっている。
まだき:時期がまだ来ないうち、早くも
こずゑ:木の枝の先
- 作者
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藤原公実
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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うちなびき春は来にけり山川の 岩間の氷今日や解くらむ
- 次の歌
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いつしかと明けゆく空の霞めるは 天の戸よりや春は立つらむ