つららゐし細谷川の解けゆけば
水上よりや春は立つらむ
- 歌の意味
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氷の張っていた細い谷川が解けてゆくので、春は川の水上のほうから立つのだろうか。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 4
氷に閉ざされていた細い谷川が解けはじめたのを見て、春は川の上流からやって来るのだろうかと推量した歌である。川の流れに沿って春が下ってくるという発想に、身近な自然を見つめる目がうかがえる。
作者の「京極関白家肥後」は藤原定成の娘、肥後である。京極関白と呼ばれた藤原師実の家に仕えた女房で、堀河天皇の時代の歌壇で活躍した。
初句「つららゐし」は氷が張っていたの意である。「つらら」はここでは水面に張る氷をいい、「ゐる」は氷が張る意である。
二句「細谷川の」は細い谷川で、山深い小さな流れを指す。
三句「解けゆけば」は次第に解けてゆくのでの意で、巻頭の第一首と同じく、氷の解けることで春を知る趣向である。
四句「水上よりや」の「水上」は川の上流、水源で、係助詞「や」によって疑問を表す。前歌の第三首の「天の戸よりや」と対応している。
結句「春は立つらむ」は前歌の第三首と同じ結句で、天から春が来るとした前歌に対し、川の上流から春が来ると見立てて対をなしている。
つらら:水面などに張った氷
ゐる:氷などが張る
みなかみ:川の上流、水源
- 作者
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京極関白家肥後
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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いつしかと明けゆく空の霞めるは 天の戸よりや春は立つらむ
- 次の歌
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春の来る夜の間の風のいかなれば 今朝吹くにしも氷解くらむ