春の来る夜の間の風のいかなれば
今朝吹くにしも氷解くらむ
- 歌の意味
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春がやって来た夜のうちの風は、どのような風なので、今朝吹いたばかりで氷を解かすのだろうか。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 5
立春の朝、一夜のうちに吹きかわった風によって氷が解けたことを不思議がる歌である。季節の境目となる一夜の風に、春の力を感じ取っている。
立春の風が氷を解くという発想は古今和歌集以来の型で、本巻では第一首、第四首に続いて氷解けの主題が重ねられている。
初句「春の来る」は春がやって来るの意で、立春の夜を指す。
二句「夜の間の風の」は昨夜のうちに吹いた風で、冬から春へと季節の改まる一夜をとらえている。
三句「いかなれば」はどういうわけでの意で、結句の「らむ」と呼応して原因を問う。
四句「今朝吹くにしも」の「しも」は強意の副助詞で、まさに今朝吹いたばかりなのにの意を強める。
結句「氷解くらむ」は第一首の「今日や解くらむ」と同じく氷解けで春の到来を表す。「らむ」は原因推量の助動詞である。
よのま:夜のうち、一晩の間
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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つららゐし細谷川の解けゆけば 水上よりや春は立つらむ
- 次の歌
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いつしかと春のしるしに立つものは あしたの原の霞なりけり