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いつしかと春のしるしに立つものは
あしたの原の霞なりけり

歌の意味
早くも春の訪れのしるしとして立つものは、あしたの原の霞であった。
鑑賞
巻第一 春歌 6

 立春の朝、あしたの原に立ちこめる霞を見て、これこそが春のしるしであったと得心した歌である。地名の「あした」に立春の朝を重ねた技巧が眼目である。
 作者の「仲正」は、源頼綱の子で源頼政の父にあたる源仲正である。武士でありながら歌人として知られた。

 初句「いつしかと」は早くもの意で、本巻の第三首と同じ初句である。
 二句「春のしるしに」は春が来たことを示す目印である。
 三句「立つものは」の「立つ」は霞が立つ意で、春が立つ意をも響かせ、霞と立春とを結びつけている。
 四句「あしたの原の」は大和国の歌枕で、地名の「あしたの原」に立春の朝の意を掛けた掛詞である。
 結句「霞なりけり」の「けり」は気づきの詠嘆で、春のしるしが霞であったと得心した気持ちを表す。

あしたのはら:大和国の歌枕である地名の意と、立春の朝の意を掛ける
しるし:前兆、目印
作者
源仲正
出典
金葉和歌集
前の歌
春の来る夜の間の風のいかなれば 今朝吹くにしも氷解くらむ
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あらたまの年のはじめに降りしけば 初雪とこそいふべかりけれ