散りかかる影は見ゆれど梅の花
水には香こそうつらざりけれ
- 歌の意味
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散りかかる梅の花の姿は水に映って見えるけれども、水には香りは移らないのだった。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 20
詞書「道雅卿の家の歌合に梅花をよめる」
藤原道雅の家で催された歌合で、梅の花を題として詠まれた歌である。水面に散りかかる梅の花の姿は映るのに、その香りまでは水に移らないことに気づいた歌で、梅の色と香とを対比している。
前歌まで香りを強調してきた梅の一連の中で、香りが伝わらない場面を取り上げて変化をつけている。
初句「散りかかる」は散って降りかかるの意で、水面に散る花をいう。
二句「影は見ゆれど」の「影」はここでは水に映る姿である。
三句「梅の花」と主題を示す。
四句「水には香こそ」の「こそ」は係助詞で、結句の已然形「けれ」と係り結びをなす。
結句「うつらざりけれ」の「うつる」は、姿が水に映る意と、香りが移る意とを掛けた掛詞である。本巻の第十八首で袖に香りが移ったのと対照的に、水には香りが移らないとしている。
うつる:姿が水面に映る意と、香りが移る意を掛ける
かげ:水面に映った姿
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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今日ここに見に来ざりせば梅の花 ひとりや春の風に散らまし
- 次の歌
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限りありて散りははつとも梅の花 香をばこずゑに残せとぞ思ふ