- 歌の意味
- 定めがあって散りはててしまうとしても、梅の花よ、せめて香りだけは梢に残してほしいと思う。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 21
花に散る定めがあることは受け入れつつ、香りだけは梢に残してほしいと願う歌である。梅の香を何よりも賞する心を示し、梅の歌の一連を結んでいる。
初句「限りありて」は定めがあっての意で、花の命に限りがあることをいう。本巻の第七十七首も同じ初句で、山吹の散ることを惜しんでいる。
二句「散りははつとも」は散りはててしまってもの意で、逆接の仮定条件である。
三句「梅の花」と呼びかける。
四句「香をばこずゑに」と、花の姿ではなく香りを梢に残せと願う。
結句「残せとぞ思ふ」は係助詞「ぞ」と連体形「思ふ」の係り結びで、強い願いを表す。
ちりはつ:すっかり散ってしまう
かぎり:定め、限界
- 出典
- 金葉和歌集
- 前の歌
- 散りかかる影は見ゆれど梅の花 水には香こそうつらざりけれ
- 次の歌
- 春日野の子の日の松は引かでこそ 神さびゆかむ影に隠れめ