春日野の子の日の松は引かでこそ
神さびゆかむ影に隠れめ
- 歌の意味
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春日野の子の日の小松は、引き抜かずにおいてこそ、やがて神々しく古びてゆくその松の陰に身を寄せよう。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 22
正月の初子の日に野に出て小松を引く、子の日の行事を詠んだ歌である。小松を引いて長寿を祈るのが習いであるのに、あえて引かずに残し、年を経て神さびた大樹となった松の陰に身を寄せようと詠む逆転の発想に特色がある。春日野は春日の社に近く、神さびる松の背景としてふさわしい。
初句「春日野の」は大和国の歌枕で、若菜摘みや子の日の遊びの場として詠まれる。
二句「子の日の松は」は正月の初子の日に引く小松である。
三句「引かでこそ」は引かないでこその意で、係助詞「こそ」が結句の已然形「隠れめ」と係り結びをなす。
四句「神さびゆかむ」は神々しく古びてゆくだろうの意で、小松が長い年月を経て大樹となった姿を思い描く。
結句「影に隠れめ」は松の陰に身を寄せようの意で、「め」は意志の助動詞「む」の已然形である。
ねのひ:正月の初子の日。野に出て小松を引き、若菜を摘んで長寿を祝った
かみさぶ:神々しく古びる
- 出典
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金葉和歌集
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限りありて散りははつとも梅の花 香をばこずゑに残せとぞ思ふ
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風吹けば柳の糸のかたよりに なびくにつけて過ぐる春かな