古典和歌stream

風吹けば波のあや織る池水に
糸ひきそふる岸の青柳

歌の意味
風が吹くと波が綾織物の模様を織りなす池の水に、糸を引き添えるように垂れている岸の青柳であるよ。
鑑賞
巻第一 春歌 25

 風に立つ池の小波を綾織物の模様に、その上に垂れる柳の枝を糸に見立て、池全体を機織りの光景に見なした歌である。柳の歌三首の結びとして、水辺の景を華やかに描いている。

 初句「風吹けば」は本巻の第二十三首と同じ初句で、柳の歌の一連を貫く条件となっている。
 二句「波のあや織る」の「あや」は綾織物で、風に立つ細かな波紋を綾の模様に見立てている。
 三句「池水に」と場所を示す。
 四句「糸ひきそふる」は糸を引き添えるの意で、綾を織る糸として柳の枝を見立てる。「あや」「織る」「糸」は縁語である。
 結句「岸の青柳」と体言止めで結び、前歌の第二十四首の結句「青柳の糸」と呼応している。

あや:綾織物。斜めに模様を織り出した絹織物
ひきそふ:引いて添える
出典
金葉和歌集
前の歌
朝まだき吹きくる風にまかすれば かたよりしけり青柳の糸
次の歌
糸鹿山くる人もなき夕暮に 心細くも呼子鳥かな