- 歌の意味
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糸鹿山では誰も来る人のいない夕暮れに、心細くも人を呼ぶように鳴く呼子鳥であることよ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 26
人の訪れのない山の夕暮れに、人を呼ぶような声で鳴く呼子鳥を詠んだ歌である。呼んでも来る人のない寂しさを、鳥の名に寄せて表している。
初句「糸鹿山」は紀伊国の歌枕で、「糸」の字を含む地名である。前歌までの柳の糸から、糸の縁で続く配列となっている。
二句「くる人もなき」の「くる」は人が来る意と、糸を繰る意とを掛けた掛詞で、「繰る」は「糸鹿山」の糸の縁語である。
三句「夕暮に」は人恋しさのつのる時刻として据えられている。
四句「心細くも」は心細いことにの意で、作者の心情を表すとともに鳥の声の印象でもある。
結句「呼子鳥かな」の「呼子鳥」は人を呼ぶように鳴く鳥で、実体については諸説がある。体言に詠嘆の「かな」を添えて結ぶ。
くる:人が来る意と、糸を繰る意を掛ける
よぶこどり:人を呼ぶように鳴く春の鳥。カッコウなどとする説がある
いとかやま:紀伊国の歌枕
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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風吹けば波のあや織る池水に 糸ひきそふる岸の青柳
- 次の歌
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声せずはいかで知らまし春霞 へだつる空に帰る雁がね