- 歌の意味
- 花を尋ねてきた私を、春も待っていたのだろうか。今まさに盛りとなって、いっそう美しく咲きまさっている。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 30
花を尋ねてきたところ、ちょうど盛りに咲き誇っているのを見て、春も自分の訪れを待っていたのだろうかと喜んだ歌である。本首からしばらく、白河の地での花見にかかわるとみられる歌が並んでいる。
初句「尋ねつる」は花を訪ねてきたの意で、完了の助動詞「つ」の連体形を用いる。
二句「我をや春も」は私を春もの意で、係助詞「や」が疑問を表す。
三句「待ちつらむ」は待っていたのだろうかの意で、ここで句切れとなる三句切れである。
四句「今ぞさかりに」は今まさに盛りでの意で、係助詞「ぞ」が結句の連体形「ける」と係り結びをなす。
結句「にほひましける」は色美しく咲きまさっていたの意で、「にほふ」はここでは色の美しさをいう。
にほひます:美しさがいっそう増す
たづぬ:探し求めて訪れる
- 出典
- 金葉和歌集
- 前の歌
- 吉野山峰の桜や咲きぬらむ 麓の里ににほふ春風
- 次の歌
- 白河の流れ久しき宿なれば 花のにほひものどけかりけり