- 歌の意味
- 年ごとに咲き増してゆくこの宿の桜の花よ。いっそうこの先の春の姿が見たいものだ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 34
年々咲く花の数が増してゆく宿の桜に、その家の繁栄を重ね、これから先の春の姿をいっそう見たいと讃えた歌である。前歌に続き、花と家の繁栄とを重ねた祝意の歌である。
初句「年ごとに」は本巻の第十首と同じ初句で、年々の繰り返しをいう。
二句「咲きそふ宿の」の「咲きそふ」は咲き加わる、咲き増す意で、宿の繁栄が年々増すことを重ねている。
三句「桜花」と主題を示す。
四句「なほ行く末の」の「行く末」は将来、これから先の意である。
結句「春ぞゆかしき」は係助詞「ぞ」と連体形「ゆかしき」の係り結びで、行く末の春を見たいと強く願う。
さきそふ:咲き加わる、咲き増す
ゆくすゑ:将来、これから先
- 出典
- 金葉和歌集
- 前の歌
- よろづよのためしと見ゆる花の色を うつしとどめよ白河の水
- 次の歌
- 春霞たちかへるべき空ぞなき 花のにほひに心とまりて