古典和歌stream

白雲にまがふ桜のこずゑにて
千歳の春を空に知るかな

歌の意味
白雲と見分けがつかない桜の梢によって、千年続く春の繁栄を空に見て知ることだ。
鑑賞
巻第一 春歌 40

 空高く白雲と見まがうほどに咲く桜の梢を見て、千年も続く春を予感した祝意の歌である。桜を白雲に見立てる趣向に、長寿を祝う「千歳」の語を加えている。

 初句「白雲に」は本巻の第三十六首の初句「白雲と」と同じく、桜を白雲に見立てる。
 二句「まがふ桜の」の「まがふ」は見分けがつかないほど似ているの意である。
 三句「こずゑにて」は梢によっての意で、高い梢が空に接しているさまを示す。
 四句「千歳の春を」は千年も続く春で、長寿や繁栄を祝う表現である。
 結句「空に知るかな」は空に見て知ることだの意で、白雲の縁で「空」と結んでいる。

まがふ:入りまじって見分けがつかない
ちとせ:千年、限りなく長い年月
出典
金葉和歌集
前の歌
散らぬ間は花を友にて過ぎぬべし 春より後の知る人もがな
次の歌
よろづよに見るべき花の色なれど 今日のにほひはいつか忘れむ