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よそにては岩越す滝と見ゆるかな
峰の桜や盛りなるらむ

歌の意味
遠くからは岩を越えて流れ落ちる滝のように見えることだ。峰の桜が盛りなのだろうか。
鑑賞
巻第一 春歌 43

 遠くから見ると、峰の桜が岩を越えて流れ落ちる滝のように見えると詠む歌である。桜を白雲に見立てる前歌までの趣向から、滝に見立てる趣向へと移っている。

 初句「よそにては」は離れた所からはの意である。
 二句「岩越す滝と」は岩を越えて流れ落ちる滝で、白く連なる桜の見立てである。
 三句「見ゆるかな」は見えることだの意で、ここで句切れとなる三句切れである。
 四句「峰の桜や」の「や」は疑問の係助詞で、結句の「らむ」と呼応する。本巻の第二十九首の「峰の桜や」と同じ表現である。
 結句「盛りなるらむ」は盛りなのだろうの意で、見立ての理由を推量している。

よそ:離れた所
出典
金葉和歌集
前の歌
白雲にまがふ桜を尋ぬとて かからぬ山のなかりつるかな
次の歌
今日暮れぬ明日も来て見む桜花 心して吹け春の山風