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今日暮れぬ明日も来て見む桜花
心して吹け春の山風

歌の意味
今日は日が暮れてしまった。明日も来て見よう、この桜の花を。だから気をつけて吹け、春の山風よ。
鑑賞
巻第一 春歌 44

 日が暮れて名残惜しく帰る人が、明日も見に来るつもりなので、それまで花を散らさないよう山風に呼びかけた歌である。本巻の第三十二首と同様に、風に向かって配慮を求めている。

 初句「今日暮れぬ」は今日は暮れてしまったの意で、初句切れである。
 二句「明日も来て見む」の「む」は意志の助動詞である。
 三句「桜花」は見る対象を示す。
 四句「心して吹け」は気をつけて吹けの意の命令で、第三十二首の「心せよ」と同じ発想である。
 結句「春の山風」と呼びかけて結ぶ。

こころす:気をつける、配慮する
やまかぜ:山から吹き下ろす風
出典
金葉和歌集
前の歌
よそにては岩越す滝と見ゆるかな 峰の桜や盛りなるらむ
次の歌
鏡山うつろふ花を見てしより 面影にのみたたぬ日ぞなき