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峰つづきにほふ桜をしるべにて
知らぬ山路にかかりぬるかな

歌の意味
峰から峰へと続いて咲き匂う桜を道案内として、見知らぬ山道に踏み入ってしまったことだ。
鑑賞
巻第一 春歌 46

 峰伝いに咲き続く桜に誘われるまま、知らない山道へ入り込んでしまったと詠む歌である。花に導かれて道に迷う喜びが表れており、本巻の第四十二首の花を尋ね歩く歌とも通じている。
 作者の「忠通」は、藤原忠実の子で摂政関白太政大臣に至った藤原忠通である。法性寺関白と呼ばれた。漢詩や書にもすぐれた。

 初句「峰つづき」は峰から峰へと続くさまである。
 二句「にほふ桜を」は美しく咲き映える桜である。
 三句「しるべにて」の「しるべ」は道案内、手引きの意で、桜を道しるべとしている。
 四句「知らぬ山路に」は見知らぬ山道である。
 結句「かかりぬるかな」はさしかかってしまったことだの意で、詠嘆の「かな」で結ぶ。

しるべ:道案内、手引き
やまぢ:山の中の道
作者
藤原忠通
出典
金葉和歌集
前の歌
鏡山うつろふ花を見てしより 面影にのみたたぬ日ぞなき
次の歌
桜花咲きぬる時は吉野山 立ちものぼらぬ峰の白雲