- 歌の意味
- もし風よりも先に訪ねて来なかったならば、桜の花が散り積もった庭を見ることになっただろう。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 49
風が花を散らす前に訪れたので満開の桜を見ることができたが、そうでなければ散り敷いた庭を見るだけだっただろうと詠む歌である。風と花見を競うような発想で、間に合った喜びを反実仮想で表している。
初句「散りつもる」は花が散って積もるの意である。
二句「庭をぞ見まし」は庭を見ただろうの意で、係助詞「ぞ」を受けて「まし」の連体形で結ぶ。ここで句切れとなる二句切れである。
三句「桜花」は散る主体を示す。
四句「風より先に」は風が花を散らすよりも先にの意で、風と競う形をとる。
結句「尋ねざりせば」は訪ねなかったならばの意の反実仮想で、上の句と倒置になっている。前歌の第四十八首の結句「なりせば」と同じ形である。
ちりつもる:散って積もる
- 出典
- 金葉和歌集
- 前の歌
- 斧の柄は木のもとにてや朽ちなまし 春を限らぬ桜なりせば
- 次の歌
- 山桜咲きそめしより久方の 雲居に見ゆる滝の白糸