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春ごとにあかぬにほひを桜花
いかなる風の惜しまざるらむ

歌の意味
春が来るたびに、見飽きることのない美しさの桜の花を、どのような風が惜しまずに散らすのだろうか。
鑑賞
巻第一 春歌 53

 毎年見ても飽きることのない桜の美しさを、どうして風は惜しまずに散らしてしまうのかと恨む歌である。ここから風に散る桜を惜しむ歌が増えてゆく。

 初句「春ごとに」は春が来るたびにの意で、本巻の第三十七首と同じ初句である。
 二句「あかぬにほひを」は見飽きることのない美しさである。
 三句「桜花」は風に散らされる対象を示す。
 四句「いかなる風の」はどのような風がの意で、結句の「らむ」と呼応して原因を問う。
 結句「惜しまざるらむ」は惜しまないのだろうの意で、花を散らす風への恨みを込めている。

あく:満ち足りていやになる
にほひ:色の美しく照り映えること
出典
金葉和歌集
前の歌
吉野山峰に波寄る白雲と 見ゆるは花のこずゑなりけり
次の歌
よそにては惜しみに来つる花なれど 折らではえこそ帰るまじけれ