月影に花見る夜半の浮雲は
風のつらさにおとらざりけり
- 歌の意味
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月の光で花を見る夜に月を隠す浮雲は、花を散らす風のつらさに劣らないものだった。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 56
月明かりで夜の花を見ていると、浮雲が月を隠してしまい、そのつらさは花を散らす風にも劣らないと詠む歌である。昼の花見を妨げる風に対し、夜の花見を妨げる雲を取り上げた趣向である。
作者の「匡房」は、大江成衡の子で権中納言に至った大江匡房である。後三条、白河、堀河の三代の天皇に仕えた当代随一の学者である。
初句「月影に」の「月影」は月の光の意である。
二句「花見る夜半の」は夜に花を見る場面で、昼の花見とは異なる趣を設定している。
三句「浮雲は」は空に漂う雲で、月を隠すものとして置かれている。
四句「風のつらさに」は花を散らす風のつらさで、前歌の第五十五首の嵐への危惧を受けている。
結句「おとらざりけり」は劣らないのだったの意で、気づきの詠嘆を表す。
つきかげ:月の光
よは:夜中、夜
うきぐも:空に漂う雲
- 作者
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大江匡房
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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春雨に濡れて尋ねむ山桜 雲のかへしの嵐もぞ吹く
- 次の歌
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花さそふ嵐や峰をわたるらむ 桜なみよる谷川の水