- 歌の意味
- 今朝見ると、夜中の嵐で花はすっかり散ってしまい、今は庭こそが花の盛りであった。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 58
夜の嵐で梢の花が散りはて、庭一面に花びらが敷きつめられたさまを、庭こそが花の盛りだと逆説的に詠んだ歌である。散った花を惜しみつつ、散り敷いた花の美しさを新たに見出している。
初句「今朝見れば」は今朝見るとの意である。
二句「夜半の嵐に」は夜中に吹いた激しい風で、前歌の第五十七首の嵐を受けている。
三句「散りはてて」はすっかり散ってしまっての意である。
四句「庭こそ花の」の「こそ」は係助詞で、結句の已然形「けれ」と係り結びをなす。
結句「盛りなりけれ」は盛りであったの意で、梢ではなく庭が盛りであるという逆転が眼目である。
ちりはつ:すっかり散ってしまう
- 出典
- 金葉和歌集
- 前の歌
- 花さそふ嵐や峰をわたるらむ 桜なみよる谷川の水
- 次の歌
- こずゑには吹くとも見えで桜花 かをるぞ風のしるしなりける