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春ごとに同じ桜の花なれば
惜しむ心もかはらざりけり

歌の意味
春が来るたびに同じ桜の花であるので、それを惜しむ心も変わらないのであった。
鑑賞
巻第一 春歌 60

 毎年同じように咲く桜であるから、散るのを惜しむ心も毎年変わらないと、平明な言葉で詠んだ歌である。変わらぬ花と変わらぬ心とを重ねている。

 初句「春ごとに」は本巻の第五十三首と同じ初句である。
 二句「同じ桜の」は毎年変わらず咲く同じ桜の意である。
 三句「花なれば」は花であるのでの意の順接確定条件である。
 四句「惜しむ心も」の「も」は、花ばかりでなく心もの意を添える。
 結句「かはらざりけり」は変わらないのであったの意で、気づきの詠嘆を表す。

をしむ:失われるのを残念に思う
出典
金葉和歌集
前の歌
こずゑには吹くとも見えで桜花 かをるぞ風のしるしなりける
次の歌
うらやましいかに吹けばか春風の 花を心にまかせそめけむ