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桜花雲かかるまでかきつめて
吉野の山と今日は見るかな

歌の意味
桜の花を雲がかかるほど高くかき集めて、今日はこれを吉野の山だと見ることだ。
鑑賞
巻第一 春歌 65

 散り敷いた桜の花びらを雲がかかるほど高くかき集めて、それを吉野山に見立てて楽しむ歌である。桜の名所吉野山を、集めた花で模した遊び心のある歌である。

 初句「桜花」と主題を示す。
 二句「雲かかるまで」は雲がかかるほど高くの意で、誇張表現である。
 三句「かきつめて」はかき集めての意である。
 四句「吉野の山と」は花の名所吉野山に見立てる表現で、本巻の第五十二首などに詠まれた吉野山を、集めた花で模している。
 結句「今日は見るかな」は今日は見ることだの意で、詠嘆の「かな」で結ぶ。

かきつむ:かき集める
出典
金葉和歌集
前の歌
散りかかるけしきは雪の心地して 花には袖の濡れぬなりけり
次の歌
庭の花もとのこずゑに吹きかへせ 散らすのみやは心なるべき