- 歌の意味
- 長い夜の月の光がなかったならば、宮中の花をどうして折ることができただろうか。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 69
夜の月明かりがあったおかげで、宮中の花を手折ることができたと詠む歌である。「雲居」は空と宮中の両義を持つ語で、月の光の縁で、空に咲く花のように宮中の花を表している。
初句「長き夜の」は長い夜で、夜の花見の場面を設定する。
二句「月の光の」は月の光がの意である。
三句「なかりせば」はなかったならばの意の反実仮想で、結句の「まし」と呼応する。
四句「雲居の花を」の「雲居の花」は宮中の花で、「雲居」が月や空の縁語となっている。本巻の第五十首、第五十一首の「雲居」が空を指したのとは異なり、ここでは宮中を指す。
結句「いかで折らまし」はどうして折ることができただろうか、いやできなかったの意である。
くもゐ:空の意から転じて宮中
- 出典
- 金葉和歌集
- 前の歌
- 桜咲く山田をつくる賤の男は かへすがへすや花を見るらむ
- 次の歌
- 散りはてぬ花のありかを知らすれば 厭ひし風ぞ今日はうれしき