散りはてぬ花のありかを知らすれば
厭ひし風ぞ今日はうれしき
- 歌の意味
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まだ散りきっていない花のありかを知らせてくれるので、厭わしく思っていた風が今日はうれしい。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 70
風が運んでくる香りや花びらによって、まだ散りきっていない花のありかを知ることができ、日ごろ厭わしく思っていた風が今日はうれしいと詠む歌である。本巻の第六十三首と同じく、恨めしい風をうれしく思うという逆転の趣向で、桜の歌の一連を閉じている。
初句「散りはてぬ」はまだ散りきっていないの意で、「ぬ」は打消の助動詞「ず」の連体形である。
二句「花のありかを」の「ありか」は所在、ある場所である。
三句「知らすれば」は知らせるのでの意で、風が主語である。
四句「厭ひし風ぞ」は花を散らすので厭わしく思っていた風がの意で、係助詞「ぞ」が結句の連体形と係り結びをなす。
結句「今日はうれしき」は今日はうれしいの意で、第六十三首の「はじめて風はうれしかりける」と対応している。
ありか:物のある所、所在
いとふ:嫌って避ける
- 出典
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金葉和歌集
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長き夜の月の光のなかりせば 雲居の花をいかで折らまし
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山里は野辺のさわらび萌え出づる をりにのみこそ人は訪ひけれ