鴫のゐる野沢の小田をうち返し
種まきてけりしめはへて見ゆ
- 歌の意味
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鴫のいる野の沢の田を鋤き返して、種をまいたのだなあ。標縄が張りめぐらされて見える。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 74
鴫の降り立つ野沢の田が鋤き返され、種がまかれたことを、張りめぐらされた標縄から知った歌である。前歌に続いて田園の農作業の景を詠んでいる。
作者の「国基」は、住吉社の神主を務めた津守国基である。歌人としても知られた。
初句「鴫のゐる」は鴫がいるの意で、水辺の鳥である鴫によって野沢の景を示している。
二句「野沢の小田を」は野中の沢にある田である。
三句「うち返し」の「うち返し」は田を鋤き返すの意で、本巻の第六十八首の「かへすがへす」にも同じ田を返す動作が詠まれている。
四句「種まきてけり」は種をまいたのだの意で、ここで句切れとなる四句切れである。
結句「しめはへて見ゆ」は標縄を張りめぐらしているのが見えるの意で、前歌の第七十三首の「しめ縄」と対応している。
しぎ:水辺にすむ鳥
うちかへす:田を鋤き返す
しめはふ:標縄を張りめぐらす
- 作者
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津守国基
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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あら小田に細谷川をまかすれば 引くしめ縄にもりつつぞ行く
- 次の歌
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山里の外面の小田の苗代に 岩間の水をせかぬ日ぞなき