- 歌の意味
- 山里の家の裏手の田の苗代に、岩の間から流れる水をせき入れない日はない。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 75
山里の家の裏手にある田の苗代に、毎日欠かさず岩間の水を引き入れる様子を詠んだ歌である。苗代の世話に明け暮れる山里の暮らしをとらえている。
初句「山里の」は本巻の第七十一首と同じ語で、山中の住まいを示す。
二句「外面の小田の」の「外面」は家の外、裏手の意である。
三句「苗代に」の「苗代」は稲の苗を育てる田で、晩春の農作業の場である。
四句「岩間の水を」は岩の間を流れる水で、巻頭の第一首の「岩間の氷」が解けて流れ出たものとして読むこともでき、巻頭の歌と呼応している。
結句「せかぬ日ぞなき」はせき入れない日はないの意で、二重否定によって毎日の作業を強調している。
そとも:家の外、裏手
なはしろ:稲の苗を育てる田
せく:水の流れをせき止める、せき入れる
- 出典
- 金葉和歌集
- 前の歌
- 鴫のゐる野沢の小田をうち返し 種まきてけりしめはへて見ゆ
- 次の歌
- わが宿にまたこむ人も見るばかり 折りなつくしそ山吹の花