池にひつ松のはひ枝に紫の
波織りかくる藤咲きにけり
- 歌の意味
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池の水に浸っている松の這うように伸びた枝に、紫の波を織り掛けるように藤が咲いたことだ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 85
池の水に浸るように伸びた松の枝に藤が咲き掛かり、その紫の花房が水面に揺れるさまを、紫の波を織り掛けたと見立てた歌である。藤を波にたとえる藤波の語を生かし、池の水の景と結びつけている。
作者の「経信」は、源道方の子で大納言に至った源経信である。桂大納言と呼ばれた。晩年は大宰権帥として任地で没した。撰者源俊頼の父である。
初句「池にひつ」の「ひつ」は水に浸る意の動詞である。
二句「松のはひ枝に」の「はひ枝」は地面や水面を這うように低く伸びた枝である。
三句「紫の」は藤の花の色で、本巻の第八十二首の初句と同じである。
四句「波織りかくる」は波を織って掛けるの意で、藤の花房を紫の波に見立て、さらに織物にたとえている。
結句「藤咲きにけり」は藤が咲いたことだの意で、見立ての種明かしとなっている。
ひつ:水に浸る、濡れる
はひえ:這うように低く伸びた枝
- 作者
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源経信
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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松風の音せざりせば藤波を 何にかかれる花と知らまし
- 次の歌
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住吉の松にかかれる藤の花 風のたよりに波やをるらむ