住吉の松にかかれる藤の花
風のたよりに波やをるらむ
- 歌の意味
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住吉の松に掛かっている藤の花は、風に乗って寄せる波が織っているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 86
海辺の住吉の松に掛かる藤の花を、風に寄せられた波が織り出したものかと見立てた歌である。藤を波にたとえる発想を、実際に波の寄せる住吉の浜に移して生かしている。
作者の「顕季」は、藤原隆経の子で修理大夫に至った藤原顕季である。母が白河天皇の乳母であったことから院の近臣として重んじられた。和歌の家である六条藤家の祖である。
初句「住吉の」は摂津国の歌枕で、松の名所として知られる。
二句「松にかかれる」は松に掛かっているの意で、藤が松に掛かる通例に従っている。
三句「藤の花」と主題を示す。
四句「風のたよりに」の「たより」はついで、きっかけの意で、風に乗っての意となる。
結句「波やをるらむ」の「をる」は波が折れ返る意と、織物を織る意とを掛けた掛詞である。前歌の第八十五首の「波織りかくる」を受け、波が藤を織るという見立てを重ねている。
をる:波が折れ返る意と、織物を織る意を掛ける
たより:ついで、きっかけ
- 作者
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藤原顕季
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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池にひつ松のはひ枝に紫の 波織りかくる藤咲きにけり
- 次の歌
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濡るるさへうれしかりけり春雨に 色ます藤のしづくと思へば