濡るるさへうれしかりけり春雨に
色ます藤のしづくと思へば
- 歌の意味
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濡れることさえうれしいことだ。春雨によっていっそう色を増す藤の花のしずくだと思うと。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 87
春雨に濡れた藤の花からしたたるしずくを浴びて、それが藤の色を増すしずくだと思うと濡れることさえうれしいと詠む歌である。藤の美しさへの愛着を、雨に濡れる不快さを喜びに転じることで表している。
作者の「顕仲_源」は、源顕房の子で神祇伯を務めた源顕仲である。待賢門院堀河、上西門院兵衛の父である。
初句「濡るるさへ」の「さへ」は添加を表し、濡れることさえの意となる。
二句「うれしかりけり」はうれしいことだの意で、ここで句切れとなる二句切れである。
三句「春雨に」は春雨によっての意である。
四句「色ます藤の」は色を増す藤で、雨に濡れて花の色がいっそう深まるさまをいう。
結句「しづくと思へば」はしずくだと思うとの意で、上の句の理由を倒置で示している。
いろます:色が深まる、色を増す
- 作者
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源顕仲
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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住吉の松にかかれる藤の花 風のたよりに波やをるらむ
- 次の歌
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蘆垣の外とは見れど藤の花 にほひは我をへだてざりけり