- 歌の意味
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夏山の青葉にまじって咲いている遅桜は、春の初花よりもかえって珍しく心ひかれることだ。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 95
青葉の茂る夏山に、遅れて咲き残っている桜を見つけ、春に初めて咲いた花よりもかえって心ひかれると詠む歌である。季節外れであるからこそ新鮮に感じられるという、思いがけない美を見出す心が詠まれている。
前歌の第九十四首が春を惜しむ心を詠んだのを受け、夏山にわずかに残る春の名残を見つけた喜びへとつないでいる。
初句「夏山の」は青葉の茂る夏の山で、季節がすでに夏であることを示す。
二句「青葉まじりの」は青葉の中にまじっての意である。次歌の第九十六首も「青葉」を詠み、まだ花のまじる本歌から、梢がすべて青葉になった次歌へと季節が進んでいる。
三句「遅桜」は他の桜より遅れて咲く桜である。体言で一旦区切り、下の句でその感じ方を述べる。
四句「初花よりも」の「初花」はその年に初めて咲く花で、春の初めの花と夏の遅桜とを対比している。
結句「めづらしきかな」の「めづらし」は新鮮で心ひかれるの意で、終助詞「かな」で詠嘆する。本巻の第百十三首も「めづらし」の語でほととぎすの声の新鮮さを詠んでいる。
おそざくら:他の桜より遅れて咲く桜
はつはな:その年に初めて咲く花
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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我のみぞ急ぎたたれぬ夏衣 ひとへに春を惜しむ身なれば
- 次の歌
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おしなべて梢青葉になりぬれば 松の緑もわかれざりけり