- 歌の意味
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美しい柏の木が、庭でも葉を広げるようになったことだ。これこそ、木綿を垂らして神を祭る季節なのだろうか。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 97
庭の柏の葉が広がったのを見て、今こそ木綿を垂らして神を祭る頃なのだろうかと思いやる歌である。柏の葉は古く神への供え物を盛る器とされ、その葉の茂りに初夏の神祭りの季節を感じ取っている。
卯月は賀茂祭をはじめ神事の多い月であり、巻第一の第九十二首が賀茂祭の物忌みを詠んだのに続き、夏の初めの神祭りの気配を伝えている。本巻の第百二首でも賀茂の神山が詠まれている。
作者の「経信」は、源道方の子で大納言に至った源経信である。桂大納言と呼ばれた。晩年は大宰権帥として任地で没した。撰者源俊頼の父である。
初句「玉柏」は柏の美称で、「玉」はほめる意を添える接頭語である。
二句「庭も葉広に」は庭の柏も葉が広くなったさまで、「も」によって山野だけでなく庭でもという広がりを示す。
三句「なりにけり」は完了の「ぬ」と詠嘆の「けり」で、今気づいた感動を表す。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「こや木綿しでて」の「こや」は「これや」の意で、係助詞「や」による疑問を含む。「木綿しでて」は神事に用いる木綿を垂らしての意である。
結句「神祭る頃」は神を祭る時期で、体言止めとして余韻を残す。
たまかしは:柏の美称
はびろ:葉が広いこと
ゆふ:楮の皮の繊維で作った布。神事に用いる
しづ:垂らす
- 作者
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源経信
- 出典
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金葉和歌集
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おしなべて梢青葉になりぬれば 松の緑もわかれざりけり
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雪の色を奪ひて咲ける卯の花に 小野の里人冬ごもりすな