雪としもまがひもはてず卯の花は
暮るれば月の影かとも見ゆ
- 歌の意味
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雪とすっかり見まがうというわけでもなく、卯の花は、日が暮れると月の光かとも見える。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 100
卯の花は雪と見まがうばかりではなく、日が暮れると今度は月の光かとも見える、と詠む歌である。昼は雪に、夕べには月光にと、時刻によって見立てを変えることで、卯の花の白さを重ねて描いている。
本巻の第九十八首から第百三首までは卯の花の歌が続き、雪、月光、垣根、神の標などさまざまなものに見立てられていく。
初句「雪としも」の「しも」は強意の副助詞で、雪とばかりの意を強める。前々歌の第九十八首の「雪の色を奪ひて」を受けて、卯の花と雪の見立てを踏まえている。
二句「まがひもはてず」の「まがふ」は見分けがつかないほど似る意で、雪と完全に見まがうわけではないの意となる。
三句「卯の花は」と主題を示し、下の句で別の見立てを述べる。
四句「暮るれば月の」は日が暮れると月のの意で、夕暮れという時刻の移りを加えている。
結句「影かとも見ゆ」の「影」は光のことで、月光かとも見えるの意である。本巻の第百四十一首も、庭に降り敷く月光を白雪に見立てており、雪と月光の見立てが響き合っている。
まがふ:見分けがつかないほどよく似る
かげ:光
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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いづれをかわきて折らまし山里の 垣根つづきに咲ける卯の花
- 次の歌
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卯の花の咲かぬ垣根はなけれども 名に流れたる玉川の里