神山の麓に咲ける卯の花は
誰が標結ひし垣根なるらむ
- 歌の意味
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神山の麓に咲いている卯の花は、誰が標を結って囲った垣根なのだろうか。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 102
賀茂の神山の麓に白く咲く卯の花を、誰かが標縄を張りめぐらした垣根なのだろうかと見立てた歌である。神域の山にふさわしく、白い卯の花を神聖な標に見なしている。
神山は上賀茂神社の背後の山で、卯月の賀茂祭の頃は卯の花の季節でもある。本巻の第九十七首の神祭りの歌と響き合い、神事の季節としての初夏を伝えている。
本巻の第九十八首から第百三首までは卯の花の歌が続き、雪、月光、垣根、神の標などさまざまなものに見立てられていく。
初句「神山の」は京都の上賀茂神社の背後にある神山で、神の降臨する山として神聖視された。
二句「麓に咲ける」は麓に咲いているの意である。
三句「卯の花は」と主題を示し、その白い花のありさまを下の句で見立てる。
四句「誰が標結ひし」の「標結ふ」は縄を張って占有や神域のしるしとする意である。卯の花の白さを、標縄に垂らした紙垂などに見なしている。
結句「垣根なるらむ」の「らむ」は現在推量の助動詞で、四句の疑問の「誰が」と呼応して、誰が結った垣根なのだろうかと推し量っている。前歌までの垣根の卯の花を、神域の垣根へと転じている。
かみやま:京都の上賀茂神社の背後にある山
しめゆふ:縄を張って占有や神域のしるしとする
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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卯の花の咲かぬ垣根はなけれども 名に流れたる玉川の里
- 次の歌
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賤の女が葦火焚く屋も卯の花の 咲きしかかればやつれざりけり