ほととぎすおとはの山の麓まで
尋ねし声を今宵聞くかな
- 歌の意味
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ほととぎすよ、その声を求めて音羽山の麓まで訪ねて行ったのに、その声を今夜ここで聞くことだ。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 108
ほととぎすの声を求めて、わざわざ音羽山の麓まで訪ねて行ったのに聞けなかった声を、今夜思いがけず聞くことができた、と詠む歌である。苦労して探しても得られなかったものが、ふいに訪れる喜びを表している。
本巻の第百四首から第百二十六首まではほととぎすの歌が続く。初音を待ち、尋ね、聞き得た喜びや聞き逃した嘆きなど、ほととぎすをめぐるさまざまな心が詠まれていく。
初句「ほととぎす」と主題を示して詠み起こす。
二句「おとはの山の」の「おとは」は、山城と近江の境の音羽山に、ほととぎすの声である「音」を掛けた掛詞である。
三句「麓まで」は麓までもの意で、遠くまで訪ね歩いた苦労を示す。
四句「尋ねし声を」は探し求めた声をの意で、「し」は過去の助動詞「き」の連体形である。本巻の第百五首の「尋ね暮らしつ」と同じく、ほととぎすを尋ねる心を詠んでいる。
結句「今宵聞くかな」は今夜聞くことだの意で、終助詞「かな」で喜びを込めて詠嘆している。
おとは:山城と近江の境にある音羽山に、ほととぎすの「音」(声)を掛ける
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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ほととぎす鳴きつと語る人づての 言の葉さへぞうれしかりける
- 次の歌
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年ごとに聞くとはすれどほととぎす 声は古りせぬものにぞありける