ほととぎす心も空にあくがれて
夜離れがちなるみ山辺の里
- 歌の意味
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ほととぎすの声を求めて、心も上の空にさまよい出て、夜に家を空けがちになってしまう、深い山辺の里であることだ。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 111
ほととぎすの声に心を奪われて上の空になり、夜ごと家を離れて山辺の里で過ごしがちになる、と詠む歌である。恋の歌に用いられる「夜離れ」の語を借りて、ほととぎすに夢中になる心を恋心のように描いている。
本巻の第百四首から第百二十六首まではほととぎすの歌が続く。初音を待ち、尋ね、聞き得た喜びや聞き逃した嘆きなど、ほととぎすをめぐるさまざまな心が詠まれていく。
作者の「顕輔」は、藤原顕季の子で左京大夫に至った藤原顕輔である。崇徳院の命により詞花和歌集を撰んだ六条藤家の歌人である。
初句「ほととぎす」と主題を示して詠み起こす。
二句「心も空に」は心も上の空での意で、「空」はほととぎすの飛ぶ空を響かせている。次歌の第百十二首の「跡なき空を」とも「空」の語でつながっている。
三句「あくがれて」の「あくがる」は心が体から離れてさまよい出る意である。
四句「夜離れがちなる」の「夜離る」は本来、男女の間で夜に通わなくなる意の恋の語で、ここでは夜に家を空けがちになることをいう。
結句「み山辺の里」は深い山のほとりの里で、体言止めで結んでいる。
あくがる:心が体から離れてさまよい出る
よがる:男女の間で夜に通わなくなる。ここでは夜に家を空ける意
- 作者
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藤原顕輔
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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恋すてふ無き名や立たむほととぎす 待つに寝ぬ夜の数し積もれば
- 次の歌
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ほととぎす飽かで過ぎぬる声により 跡なき空を眺めつるかな