驚かす声なかりせばほととぎす
まだうつつには聞かずぞあらまし
- 歌の意味
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眠りから覚ましてくれる声がなかったならば、ほととぎすの声を、まだ夢ではなく現実には聞かずにいたことだろう。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 115
眠っているところを起こしてくれる声がなかったら、ほととぎすの声を、夢の中ではなく現実にはまだ聞かずにいただろう、と詠む歌である。起こしてもらったおかげでほととぎすの声を聞けた喜びを、反実仮想の形で表している。
本巻の第百四首から第百二十六首まではほととぎすの歌が続く。初音を待ち、尋ね、聞き得た喜びや聞き逃した嘆きなど、ほととぎすをめぐるさまざまな心が詠まれていく。
初句「驚かす」は眠りから目を覚まさせるの意で、自分を起こしてくれた声を指す。
二句「声なかりせば」の「せば」は過去の助動詞「き」の未然形に「ば」が付いた仮定で、結句の「まし」と呼応する反実仮想である。前歌の第百十四首と同じ「せば…まし」の形で、二首は対をなしている。
三句「ほととぎす」は聞く対象の鳥である。
四句「まだうつつには」の「うつつ」は夢に対する現実で、夢の中では聞いていたかもしれないが、という含みがある。
結句「聞かずぞあらまし」は係助詞「ぞ」を受けて連体形「まし」で結ぶ係り結びで、聞かずにいただろうの意となる。
おどろかす:眠りから目を覚まさせる
うつつ:現実。夢に対して目覚めている状態
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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待ちかねて尋ねざりせばほととぎす 誰とか山のかひに鳴かまし
- 次の歌
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ほととぎす松にかかりて明かすかな 藤の花とや人は見るらむ