ほととぎす松にかかりて明かすかな
藤の花とや人は見るらむ
- 歌の意味
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ほととぎすは松の木にとまって夜を明かすことだ。人はそれを、松にかかる藤の花と見ているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 116
ほととぎすが松の木にとまったまま夜を明かしているのを見て、人はそれを松にかかる藤の花と見るのだろうか、と詠む歌である。松に藤がかかるという取り合わせを踏まえ、松にとどまるほととぎすを藤の花に見立てる機知がある。
本巻の第百四首から第百二十六首まではほととぎすの歌が続く。初音を待ち、尋ね、聞き得た喜びや聞き逃した嘆きなど、ほととぎすをめぐるさまざまな心が詠まれていく。
作者の「白河院」は第七十二代の白河天皇である。後三条天皇の第一皇子で、譲位の後も上皇として院政を行い、源俊頼に本集の撰進を命じた。
初句「ほととぎす」と主題を示して詠み起こす。
二句「松にかかりて」は松の木にとまっての意である。「かかる」は藤が松にかかる意を響かせ、四句の「藤の花」へつながっている。
三句「明かすかな」は夜を明かすことだの意で、終助詞「かな」で詠嘆する。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「藤の花とや」は藤の花と見るのかの意で、係助詞「や」による疑問である。松と藤は古くから取り合わせて詠まれる景物である。
結句「人は見るらむ」の「らむ」は現在推量の助動詞で、四句の「や」と結んでいる。
あかす:夜を明かす
- 作者
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白河院
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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驚かす声なかりせばほととぎす まだうつつには聞かずぞあらまし
- 次の歌
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待つ人の宿をば知らでほととぎす 遠の山辺を鳴きて過ぐなり