あやめ草引く手もたゆく長き根の
いかであさかの沼に生ひけむ
- 歌の意味
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あやめ草を引く手もだるくなるほどの長い根が、どうして浅いという名の安積の沼に生えたのだろうか。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 129
引き抜く手がだるくなるほど長いあやめ草の根が、どうして浅いという名の安積の沼に生えたのだろうか、といぶかる歌である。根の長さと、沼の名の「浅か」とを対比させた機知の歌である。
安積の沼は陸奥の歌枕で、古今和歌集に花かつみを詠んだ歌があることで知られる。
本巻の第百二十七首から第百三十四首までは、五月五日の端午の節句に軒に葺いたり、根の長さを競ったりしたあやめ草の歌が続く。
初句「あやめ草」は端午の節句に根を引いて用いる菖蒲である。
二句「引く手もたゆく」は引く手もだるくなるほどの意で、根の長さを強調している。
三句「長き根の」は長い根がの意で、端午の節句には根の長さを競う遊びも行われた。
四句「いかであさかの」の「あさか」は、陸奥の歌枕の安積に、浅い意の「浅か」を掛けた掛詞である。三句の「長き」と対比されている。疑問の副詞「いかで」は結句の「けむ」と呼応する。
結句「沼に生ひけむ」の「けむ」は過去推量の助動詞で、どうして生えたのだろうかといぶかっている。
あさか:陸奥の歌枕「安積の沼」に、浅い意の「浅か」を掛ける
おふ:生える
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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万代に変はらぬものは五月雨の 雫にかをるあやめなりけり
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玉江にや今日のあやめを引きつらむ 磨ける宿のつまに見ゆるは