あさましや見しふるさとのあやめ草
我が知らぬ間に生ひにけるかな
- 歌の意味
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驚きあきれたことだ。昔見たなじみの里のあやめ草が、私の知らない間にこんなにも生え育っていたことだよ。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 134
かつて見たなじみの里を訪れると、あやめ草が自分の知らない間にすっかり生え育っていたのに驚く歌である。時の流れを、あやめ草の成長によって感じ取る心が詠まれている。
本歌であやめ草の一連は終わる。次歌から五月雨の歌が続いていく。
初句「あさましや」は驚きあきれたことだの意で、初句切れの歌である。
二句「見しふるさとの」は昔見たなじみの土地ので、「し」は過去の助動詞「き」の連体形である。
三句「あやめ草」は主語として置かれている。
四句「我が知らぬ間に」は自分の知らない間にの意で、時の経過を示している。
結句「生ひにけるかな」は生え育ってしまったことだの意で、完了の「ぬ」、詠嘆の「けり」、終助詞「かな」が重なり、驚きを強めている。
ふるさと:昔住んでいた所、なじみの土地
おふ:生える
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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同じくは整へて葺けあやめ草 さみだれたらば漏りもこそすれ
- 次の歌
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五月雨に沼の石垣水越えて 真菰刈るべき方も知られず