夏の夜の庭に降りしく白雪は
月の入るこそ消ゆるなりけれ
- 歌の意味
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夏の夜の庭に一面に降り敷いた白雪は、月が沈むときこそ消えるものであったよ。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 141
夏の夜の庭に白雪が降り敷いたかと見えたのは、月の光であったので、月が沈むとともに消えるのだった、と詠む歌である。庭を白く照らす月光を雪に見立て、夏の夜の涼しさを感じさせている。
月光を雪に見立てる趣向は、本巻の第百首が卯の花を雪とも月の光とも見たのと響き合っている。
作者の「顕仲_源」は、源顕房の子で神祇伯を務めた源顕仲である。待賢門院堀河、上西門院兵衛の父である。
初句「夏の夜の」は季節と時刻を示し、夏に雪という意外な取り合わせを導いている。
二句「庭に降りしく」の「降りしく」は一面に降り敷く意である。
三句「白雪は」は月光を見立てたもので、主題として示されている。
四句「月の入るこそ」は月が沈むときこそで、係助詞「こそ」が結句の已然形「けれ」と係り結びをなす。ここで初めて白雪の正体が月光であることが明かされる。
結句「消ゆるなりけれ」は消えるのであったよの意で、見立ての種明かしを詠嘆とともに示している。
ふりしく:一面に降り敷く
- 作者
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源顕仲
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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五月雨に入江の橋の浮きぬれば 下ろす筏の心地こそすれ
- 次の歌
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里ごとに叩く水鶏の音すなり 心のとまる宿やなからむ