里ごとに叩く水鶏の音すなり
心のとまる宿やなからむ
- 歌の意味
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里ごとに戸をたたくように鳴く水鶏の声がする。心が引きとめられる家がないのだろうか。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 142
戸をたたくような水鶏の鳴き声が、里ごとに聞こえるので、水鶏には心ひかれて落ち着く家がないのだろうか、と詠む歌である。水鶏の声を、家々の戸をたたいて回る訪問者になぞらえている。
次歌の第百四十三首も水鶏が戸をたたくと詠み、二首で水鶏の歌をなしている。
初句「里ごとに」はどの里でもの意である。本巻の第百四十九首の「宿ごとに」と同じく、あちこちに及ぶさまを詠んでいる。
二句「叩く水鶏の」の「水鶏」は鳴き声が戸をたたく音に似る鳥で、「叩く」はその声をいう。
三句「音すなり」の「なり」は音声による推定の助動詞で、そのような音が聞こえるの意である。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「心のとまる」は心が引きとめられる、気に入って落ち着くの意である。
結句「宿やなからむ」は家がないのだろうかの意で、係助詞「や」と推量の「む」が結んでいる。
くひな:クイナ科の鳥。鳴き声が戸をたたく音に似る
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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夏の夜の庭に降りしく白雪は 月の入るこそ消ゆるなりけれ
- 次の歌
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夜もすがらはかなく叩く水鶏かな させる戸もなき柴の仮屋を