鹿立たぬ端山が裾にともしして
いく夜かひなき夜を明かすらむ
- 歌の意味
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鹿の現れない端山のふもとで照射をして、幾晩むなしい夜を明かすのだろうか。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 147
鹿の現れない低い山のふもとで照射の火をともし、獲物もないまま、幾晩むなしく夜を明かすのだろうか、と詠む歌である。夏の夜の照射の狩りのむなしさと、夜の長さが感じられる。
前歌の第百四十六首も照射を詠み、二首で照射の歌をなしている。前歌が鹿の側から火を見るのに対し、本歌は鹿を待つ狩人の側から詠んでいる。
作者の「顕仲_源」は、源顕房の子で神祇伯を務めた源顕仲である。待賢門院堀河、上西門院兵衛の父である。
初句「鹿立たぬ」は鹿が現れないの意で、「ぬ」は打消の「ず」の連体形である。
二句「端山が裾に」の「端山」は人里近くの低い山で、そのふもとをいう。
三句「ともしして」は照射をしての意で、松明をともして鹿をおびき寄せる狩りをすることである。
四句「いく夜かひなき」は幾晩もむなしいの意で、獲物のないことを嘆いている。
結句「夜を明かすらむ」の「らむ」は現在推量の助動詞で、四句の「いく夜」と呼応して、幾晩むなしい夜を明かすのだろうかと推し量っている。
はやま:人里近くの低い山
ともす:照射をする。松明をともして鹿をおびき寄せる
- 作者
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源顕仲
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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沢水に火串の影の映れるを 二ともしとや鹿は見るらむ
- 次の歌
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五月闇花橘のありかをば 風のつてにぞ空に知りける