- 歌の意味
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五月雨のころの暗い夜に、花橘の咲いている場所を、風の便りによって、見えないままにそれとなく知ったことだ。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 148
五月雨のころの暗い夜で花橘は見えないが、風が運んでくる香りによって、そのありかをそれとなく知った、と詠む歌である。目には見えない花を香りでとらえる、夏の夜の情趣が詠まれている。
次歌の第百四十九首も花橘の香りを詠み、二首で花橘の歌をなしている。
初句「五月闇」は五月雨のころの夜の暗さで、花が目に見えないことを示している。
二句「花橘の」は橘の花で、香りの高い初夏の花である。
三句「ありかをば」は咲いている場所をの意で、「ば」は強意である。
四句「風のつてにぞ」は風の便りによっての意で、係助詞「ぞ」が結句の連体形「ける」と係り結びをなす。本巻の第百七首の「人づて」と同じく、間接に知ることを詠んでいる。
結句「空に知りける」の「空に」は確かな根拠なしに、それとなくの意で、香りだけで知ったことを表す。空を吹く風の縁で「空」の語が置かれている。
さつきやみ:五月雨のころの夜の暗さ
はなたちばな:橘の花
つて:便り、伝え
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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鹿立たぬ端山が裾にともしして いく夜かひなき夜を明かすらむ
- 次の歌
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宿ごとに花橘ぞにほふなる 一木が末を風は吹けども