玉櫛笥二上山の木の間より
出づればあくる夏の夜の月
- 歌の意味
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二上山の木々の間から出たかと思うと、もう明けてしまう夏の夜の月であることよ。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 152
二上山の木の間から月が出たかと思うと、すぐに夜が明けてしまう、と夏の夜の短さを詠む歌である。月の出から夜明けまでの短い時間を、枕詞と掛詞を巧みに用いて表している。
夏の夜の短さを惜しむ趣向は和歌の伝統的な題材であり、本歌は「玉櫛笥」の枕詞から「あくる」へとつなげて、技巧によってそれを表している。
初句「玉櫛笥」は櫛を入れる美しい箱で、その蓋の「ふた」から二句の「二上山」にかかる枕詞である。
二句「二上山の」は大和と河内の境にある山である。
三句「木の間より」は木々の間からの意で、月の出るさまを示している。
四句「出づればあくる」の「あくる」は、夜が「明くる」意と、櫛笥の蓋を「開くる」意とを掛けた掛詞である。初句の「玉櫛笥」の縁語となっている。
結句「夏の夜の月」は体言止めで、短い夏の夜の月を余韻とともに示している。
たまくしげ:「ふた」などにかかる枕詞。櫛を入れる美しい箱
あく:夜が「明く」意と、櫛笥の蓋を「開く」意を掛ける
ふたがみやま:大和と河内の境にある山
- 出典
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金葉和歌集
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大井川幾瀬鵜舟の過ぎぬらむ ほのかになりぬ篝火の影
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水無月の照る日の影はさしながら 風のみ秋の気色なるかな