古典和歌stream

万代に君ぞ見るべき七夕の
行き合ひの空を雲の上にて

歌の意味
いつまでも末長く、我が君はご覧になるにちがいない。七夕の二星が行き合う空を、雲の上の宮中にて。
鑑賞
巻第三 秋歌 158

 牽牛と織女の二星が年に一度行き合う七夕の空を、我が君は宮中で万代までご覧になるだろう、と詠む歌である。七夕の夜の景に、主君の長寿と治世の永続を祝う心を重ねている。
 七夕の空を見上げる「雲の上」に、天上と宮中の両方を思わせて、天の二星と地上の君とを結びつけている点に趣向がある。本巻の第二百十首も宮中を「雲の上」と詠んでいる。
 本巻の第百五十八首から第百六十七首までは七夕の歌が続き、年に一度の牽牛と織女の逢瀬、織女に衣を貸す風習、明け方の別れの涙などが詠まれていく。

 初句「万代に」は限りなく長い年月にの意で、祝いの心を示している。
 二句「君ぞ見るべき」は我が君がご覧になるにちがいないの意で、係助詞「ぞ」が連体形「べき」と係り結びをなす。ここで句切れとなる二句切れの歌で、下の句は倒置となっている。
 三句「七夕の」は七月七日の夜に牽牛と織女が逢うという星祭りである。
 四句「行き合ひの空を」は二星が行き合う空をの意で、年に一度の逢瀬をいう。
 結句「雲の上にて」の「雲の上」は宮中のことで、天上の空を思わせつつ、君のいる宮中を示している。

ゆきあひ:行き合うこと。七夕の二星の逢瀬
くものうへ:宮中
出典
金葉和歌集
前の歌
真葛はふあだの大野の白露を 吹きな乱りそ秋の初風
次の歌
七夕の苔の衣をいとはずは 人なみなみに貸しもしてまし