恋ひ恋ひて今宵ばかりや七夕の
枕に塵の積もらざるらむ
- 歌の意味
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恋い慕い続けて、今夜ばかりは織女の枕に塵が積もらないのだろうか。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 161
一年じゅう恋い慕い続けて独り寝をしてきた織女の枕にも、牽牛と逢う今夜だけは塵が積もらないのだろう、と詠む歌である。使われない枕に塵が積もるという表現によって、年に一度しか逢えない織女の長い孤独を思いやっている。
本巻の第百五十八首から第百六十七首までは七夕の歌が続き、年に一度の牽牛と織女の逢瀬、織女に衣を貸す風習、明け方の別れの涙などが詠まれていく。
作者の「前斎宮河内」は、前の伊勢斎宮に仕えた女房で、河内と呼ばれた。堀河百首の作者の一人である。
初句「恋ひ恋ひて」は恋い慕い続けての意で、動詞を重ねて思いの長さを示している。
二句「今宵ばかりや」は今夜だけはの意で、係助詞「や」が結句の「らむ」と係り結びをなす。
三句「七夕の」は織女を指している。
四句「枕に塵の」は枕に塵がの意で、独り寝が続いて使われない枕を思わせる。
結句「積もらざるらむ」は積もらないのだろうかの意で、「らむ」は現在推量の助動詞である。
ちり:塵、ほこり
- 作者
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前斎宮河内
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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藤衣忌みもやすると七夕に 貸さぬにつけて濡るる袖かな
- 次の歌
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天の川別れに胸のこがるれば 帰さの舟は楫もとられず