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いかにしてしがらみかけむ天の川
流るる月やしばしよどむと

歌の意味
どのようにして柵をかけたらよいだろうか、天の川に。流れていく月がしばらくでもとどまるかと思って。
鑑賞
巻第三 秋歌 190

 天の川に柵をかけたら、川を流れるように西へ移っていく月が、しばらくでもとどまるだろうか、どうにかして柵をかけたい、と詠む歌である。空を渡る月を天の川を流れるものに見立て、沈みゆく月を惜しむ心を表している。
 本巻の第二百四十七首でも、谷川に柵をかけて紅葉をとどめよと詠まれており、流れゆくものを柵でとどめようとする趣向が共通している。
 本巻の第百七十四首から第二百十七首までは月の歌が長く続き、夕月夜から八月十五夜の名月、有明の月まで、さまざまな月のありさまと月を見る心が詠まれていく。

 初句「いかにして」はどのようにしての意で、二句の「む」と呼応して手段を思いめぐらす心を表している。
 二句「しがらみかけむ」の「しがらみ」は川の流れをせき止めるために杭を打って竹や柴を絡めたもので、柵をかけようかの意となる。本巻の第二百四十七首にも「しがらみかけよ」と詠まれている。
 三句「天の川」は柵をかける場所で、ここで句切れとなる三句切れの歌である。
 四句「流るる月や」は天の川を流れていく月がの意で、空を西へ移る月を流れるものに見立てている。係助詞「や」による疑問を含む。
 結句「しばしよどむと」は、しばらくでもとどまるかと思っての意で、「よどむ」は流れがとどこおる意である。

しがらみ:川の流れをせき止めるため、杭を打って竹や柴を絡めたもの
よどむ:水の流れがとどこおる
出典
金葉和歌集
前の歌
月を見て思ふ心のままならば 行方も知らずあくがれなまし
次の歌
今宵我桂の里の月を見て 思ひ残せることのなきかな