山の端に雲の衣を脱ぎ捨てて
ひとりも月のたちのぼるかな
- 歌の意味
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山の端で雲の衣を脱ぎ捨てて、ただひとり月が昇っていくことだ。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 194
山の端にかかっていた雲を衣に見立て、月がその衣を脱ぎ捨ててひとり空に昇っていく、と詠む歌である。月を人のように描いた擬人的な表現で、雲を離れて昇る月の清らかさをとらえている。
本巻の第百七十四首から第二百十七首までは月の歌が長く続き、夕月夜から八月十五夜の名月、有明の月まで、さまざまな月のありさまと月を見る心が詠まれていく。
作者の「俊頼」は、源経信の子の源俊頼である。白河院の命により本集金葉和歌集を撰んだ。革新的な歌風で知られる。
初句「山の端に」は山の稜線にの意である。
二句「雲の衣を」は月にかかる雲を衣に見立てた語である。
三句「脱ぎ捨てて」は脱ぎ捨てての意で、雲が離れていくさまを月が衣を脱ぐことにたとえている。
四句「ひとりも月の」は、ただひとり月がの意で、雲を離れて空にひとり輝く月を描いている。
結句「たちのぼるかな」の「たち」は、昇る意の「立ち」と、衣を「裁ち」の意とを掛けた掛詞で、「衣」「脱ぐ」と縁語の関係にある。終助詞「かな」で詠嘆している。
たつ:昇る意の「立つ」と、衣を「裁つ」意を掛ける
- 作者
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源俊頼
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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照る月の光さえゆく宿なれば 秋の水にも氷ゐにけり
- 次の歌
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葦根はひかつみも茂き沼水に わりなく宿る夜半の月かな