名残なく夜半の嵐に雲晴れて
心のままに澄める月かな
- 歌の意味
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夜半の嵐に雲が跡形もなく晴れて、思いのままに澄みわたっている月であることよ。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 199
夜中の嵐に吹き払われて雲が跡形もなく晴れ、思う存分に澄みわたって輝く月である、と詠む歌である。嵐の後の静けさと、雲ひとつない空に輝く月の清らかさを描いている。
四句の「心のままに」は本巻の第百八十首の四句と同じ句で、第百八十首が月を思いのままに我が物とするのに対し、本歌は月そのものが思いのままに澄みわたるさまを詠んでいる。
本巻の第百七十四首から第二百十七首までは月の歌が長く続き、夕月夜から八月十五夜の名月、有明の月まで、さまざまな月のありさまと月を見る心が詠まれていく。
初句「名残なく」は跡形もなくの意である。
二句「夜半の嵐に」は夜中に吹く激しい風にの意である。
三句「雲晴れて」は雲が晴れての意で、嵐によって雲が吹き払われたことをいう。
四句「心のままに」は思いのままにの意で、本巻の第百八十首と同じ句である。
結句「澄める月かな」は澄みわたっている月であることよの意で、「る」は存続の助動詞「り」の連体形である。
なごり:物事が過ぎ去った後に残る跡
あらし:激しく吹く風
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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菊の上に露なかりせばいかにして 今宵の月を夜と知らまし
- 次の歌
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三笠山光をさして出でしより 曇らで明けぬ秋の夜の月